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源氏物語あらすじ


十二単

物語の構成

『源氏物語』はおおまかに三部形式で分けて考えられています。

第一部  第一帖<桐壺>から第三十三帖<藤裏葉>まで

 桐壺帝の第二皇子として光源氏の誕生。光源氏は父・桐壺帝の妃である藤壺の宮を思慕し密通。藤壺は皇子<のちの冷泉帝>を出産する。光源氏は生涯を共にする紫の上と出会い引取って理想の女性へと育てる。政敵の娘である朧月夜との関係が露見し、須磨・明石へ退居するが許され帰京する。
 様々な女性との出会いと別れ、六條院の造営と六條院に住まう女君たちとの交流が描かれる。光源氏と葵の上との息子である夕霧は頭中将<内大臣>の娘である雲居雁(くもいのかり)と結婚。光源氏と明石の君との娘である明石の姫君は東宮<皇太子>に入内する。光源氏は准太上天皇の待遇を得て位人臣を極める。


第二部  第三十四帖<若菜上>から第四十一帖<幻>まで

 朱雀帝の第三皇女である女三の宮(おんなさんのみや)が光源氏のもとに降嫁する。明石の女御が第一皇子を出産し、皇子はのちに東宮<皇太子>となる。
 紫の上が病に倒れ二條院へ移住するが光源氏が二條院で看病している間に頭中将<内大臣→致仕の太政大臣>の息子・柏木は六條院に住まう女三の宮と密通。女三の宮は男児<薫>を出産する。柏木死去。
 夕霧は柏木の未亡人である落葉の宮(おちばのみや)を見舞ううちに思慕するようになり結婚。病がちだった紫の上死去。光源氏は悲しみ落胆し出家の準備をして身辺整理をする。久方ぶりに光源氏が人前に出ると、一段と増して素晴らしく見事に見えたのだった。


第三部  第四十二帖<匂兵部卿>から第五十四帖<夢浮橋>まで

 光源氏亡きあと、薫(かおる)と匂宮(におうのみや=今上帝と明石の中宮との第三皇子)を主軸にしたストーリー。世間では、薫もしくは匂宮を婿に望む親が多い。柏木の弟・按察使(あぜち)大納言は大君(おおいぎみ)を東宮に入内させた後、中の君(なかのきみ)を匂宮と結婚させたいと思っていた。
 一方、夫の鬚黒(ひげくろ)を亡くした玉鬘(たまかずら)は娘の身の処し方に心を悩ませる。

 故・桐壺帝の第八皇子・八の宮は、娘である大君(おおいぎみ)・中の君(なかのきみ)と宇治の山荘で暮らし仏道に専念していた。薫は宇治の山荘に住まう八の宮を訪ねるようになり、大君と中の君に心惹かれる。薫は大君を思慕するが大君は死去。匂宮は中の君と結ばれ宇治から京へ移り住み、中の君は若宮を出産。匂宮は夕霧の娘・六の君と結婚する。薫は今上帝の女二の宮(おんなにのみや)と結婚。大君を忘れられない薫に対して、中の君は大君に似ており東国で育った異母妹・浮舟(うきふね)のことを話す。宇治の山荘に移住した浮舟は薫と匂宮の双方から恋慕される。浮舟は入水を決意して行方をくらました。遺骸のないまま葬儀が行われたが浮舟は生きていた。浮舟は横川(よかわ)の僧都(そうず)のもとで出家する。


注)大君(おおいぎみ)とは、長女のこと。中の君(なかのきみ)とは次女のこと。


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