遥かなる筑紫 太宰府
源氏物語と太宰府
『源氏物語』に登場する姫君・玉鬘(たまかずら/たまかづら)は、夕顔と頭中将<のちの内大臣>との間に誕生し、母の死を知らないまま、乳母に伴われて京から筑紫へ下って美しく育ちます。
それは、玉鬘を育てた乳母の夫が大宰少弐(だざいのしょうに=大宰府の次官)であったためでした。
玉鬘が4歳〜10歳ぐらいまでを過ごしたのは大宰少弐の勤務地である大宰府政庁の周辺だったと思われます。
また、『源氏物語』の作中には、役所としての大宰府そのものではなく、大宰府の役人と縁がある人物が複数登場します。さらに『源氏物語』での貴族の生活を彩る唐物(からもの=舶来ブランド品)は、海外から都の貴族たちへ直接運ばれたのではなく、大宰府を経てもたらされていました。
そんな『源氏物語』ともゆかりの深い、現在の福岡県太宰府市の名所をこのコンテンツにてご紹介いたします。
※大宰府・太宰府の表記について以下のように使い分けます。
大宰府=古代の役所や遺跡名
太宰府=中世以降の地名や天満宮 |