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源氏物語に登場する大宰府と縁のある人物 |
『源氏物語』の脇役に目を向けると、大宰大弐(だざいのだいに)または大宰少弐(だざいのしょうに)といった大宰府の役人とゆかりのある人物が多いことに気づきます。
大宰大弐・少弐の任期はそれぞれ5年。京から大宰府へ赴任します。
ここでは、作中に登場する大宰府の役人とゆかりのある人物をまとめてみました。(*^-^)b
大弐の乳母(だいにのめのと)
◆登場巻 「夕顔」
光源氏を養育した乳母(めのと)の一人。
夫もしくは父が大宰大弐(だざいのだいに)であったと思われる。光源氏が最も信頼する乳兄弟・惟光(これみつ)の母。重病のため出家し五条の家に住むのを光源氏が見舞いに訪れた。 |
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筑紫の五節(ごせち)
◆登場巻 「花散里」〜「澪標」・「少女」・「幻」
桐壺帝の御世で豊明節会(とよあかりのせちえ)の五節の舞姫をつとめた。かつての光源氏の恋人。
大宰大弐の娘。
「須磨」「明石」「少女」巻で光源氏と和歌を贈答。五節の日に光源氏が思い出す存在。 |
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大宰大弐の北の方
◆登場巻 「蓬生」
末摘花の母方の叔母。夫が大宰大弐に出世。筑紫下向にあたって末摘花を娘たちの使用人にしようと勧誘。
夫の任期が終わって上京したところ、末摘花が光源氏に庇護を受け幸福になったのを驚く。 |
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夕顔の乳母<大宰少弐の妻>
◆登場巻 「夕顔」・「玉鬘」
夕顔を養育した乳母のひとり。夕顔の死後、夫が大宰少弐(だざいのしょうに)に就いたため夕顔の遺児である玉鬘を伴って大宰府がある筑前国・肥前国へ下向。夫の死後は玉鬘を守って帰京する。 |
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大夫監(たいふのげん)
◆登場巻 「玉鬘」
大宰大弐・少弐に次ぐ大宰府の三等官。
肥後国の豪族。
玉鬘の美貌の噂を聞きつけ求婚する。 |
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大弐の御館の上(みたちのうえ)
◆登場巻 「玉鬘」
「玉鬘」巻に名前のみ登場。玉鬘に仕える三条が大宰府で見聞きした大宰大弐の正妻のこと。この正妻が観世音寺に参詣する威勢は帝の行幸にも劣らず立派であったという。 |
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大弐(だいに)
◆登場巻 「梅枝」
「梅枝」巻に名前のみ登場。
舶来品が入手しやすい立場であるため、光源氏に香(こう)や綾織物・羅(うすもの=薄く織った絹)を献上した。 |
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大宰大弐のイメージ
・地方に赴任する国司(=長官)を歴任したのちに、手に入れることができる憧れのポスト。
・九州における実質上の権力者。
・外国との貿易を掌握し、舶来品を多く手に入れることができた。=経済的に恵まれる。
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